猛虎雑感

2003年、星野阪神タイガースが18年ぶりのセ・リーグ優勝に向かって快進撃中、7月中旬の雑記。当時の野球中継番組や関連ウエブサイトの状況が思い出されて懐かしい。


阪神甲子園球場礼賛

 このところイキオイ阪神関連ネタが増えているけれど、まあ、なにせ18年ぶりである。今年だけとお目こぼしいただいて…。前半最後の公式戦は甲子園での読売三連戦の日程であったが、最終日の日曜はあいにく雨で中止になった。甲子園のようなオープンエアの球場では仕方のないことだが、5万3千の入りが確実な試合だから営業関係者、また苦労してチケットを手に入れたファンにとってはさぞやガックリであろう。かといってドーム化なんて不謹慎な考えは断固遠慮していただきたく思う。

 先日も息子に、「雨で中止?何故ドームにしないのか?」と訊ねられた。一瞬、どう説明しようかと迷ったが、「野球とはどういう字を書く?」という屁理屈を持ち出して納得させた。しかし、この理屈はなまじ誤魔化しでもないと思う。野球場は暑い日は暑く、雨の日、霞の日、強風の日があってしかるべきで、その日その瞬間に応じた判断のプレイや作戦も見どころのひとつなのである。それに加えて、土と天然芝のセットが必要不可欠であることは言うまでもない。屋根無し人工芝の球場ほど中途半端なものはないと思う。

 阪神甲子園球場は素晴らしい。通路を通ってフィールドを見渡したとき、天然芝の鮮やかなグリーンが目に飛び込んで来るが、まるで人工芝のように均一である。そして土の濃い褐色との対比が美しい。名物の「浜風」も試合にアクセントを付けてくれるのみならず、蒸し暑い夏の観客にとってもありがたいものだ。この読売三連戦初日は平日の金曜日、それも雨模様であったが、観衆5万2千の発表だった。満員まで1千人足りなかったということだが、TVで見るに、確かにレフトアルプスの辺りに空席があった。それでもちゃんと5万2千と発表しているのには好感が持てる。どこやらは外野のシートが露骨に目立つ状態でも5万5千の大入り記録を継続しているらしい。ま、今のようなチームの調子だと、国技同様、早晩申し開きが出来なくなることであろうが。

 今年あたしが甲子園で観戦したのは5月18日だったが、そのときには今ほど優勝確実という雰囲気はなかったけれど、日曜の読売戦ということもあり満員だった。甲子園といえば5万8千人が満員の日本最大の野球場、というのがオールドファンのイメージなのだけれど、近年5千人分シートに余裕を持たせてスタンドの環境を改善した。実際はそれでも座席の足回りは窮屈である。今年のような人気だと、もう少し座席数も増やしたいところであろうが、そのために銀傘が取り払われたり、ドーム化なんて話になってしまうのはご免被りたい。今の球場は現状のまま残し、周囲を取り巻くような形で新しいスタンドを築けないものか。低価格の座席でも気持ち良く観戦するには、もう少し膝回りに余裕が欲しいのである。本スタンドで5万、外郭スタンド(全て自由席)に1万、てな感じになればありがたいのだが。でもまあ、阪神が今年の強さを持続しないことには無意味なのだけれど。

 さて、この週末の読売三連戦の前二試合。どちらも猛虎打線が大爆発、14点というトンデモナイ大量点を入れて大勝した。序盤に早々と試合を決めてしまったので、主力を下げ、控え選手にチャンスが回ってくる形となったが、どの選手も必死であって、主力以上の気迫で活躍した。普通なら相手をナメているような采配にとられても仕方がないところなのに、そんな感じは全く無く、レギュラー以上の働きをする。これが凄い。今年の強さはここに象徴されていると思う。レギュラーが2チームあるようなものである。また、沖原のように活躍した控え選手を翌日の先発に起用する星野采配もいい。いくら貯金があるとはいえ、なかなか出来ないことであるように思う。注目度が高まっている今季、にわか虎ファンに一軍公式戦での活躍をお披露目できるのは、控え選手の今後にとっても大きいチャンスとなるし、ファンの親しみや知識も増して、観戦の愉しみが大きくなる。

 しかし読売の覇気の無さには、ちょっと憤りすら感じる。12日の試合は凡エラーを頻発したが、最も厭な野郎である、仁志と二岡がトンネルをやらかすとは意外であった(ペタと江藤は取的のような愛らしさがあるのでそうも厭ではない。元木のほうがヤだ)。由伸も積極性が裏目に出てか後ろに逸らした。清原もファーストゴロに跳びついたが及ばなかった後、無意味にその場にうずくまったり、深い内野ゴロで真面目に走らなかったりして、ヤル気があんのか!と言いたい。前日の工藤も強襲のゴロを弾いた後、一瞬投げやりな動きがあった。六甲颪の歌詞ではないが、「熱血既に敵を衝」いてしまっているのか? ヤクルトはもちろんだが、広島や横浜の方がまだ個々の試合で言えば手強いではないか。阪神が勝つのに慣れていないのと同様、読売も敗けるのに慣れていないからか? まあ結構なご身分である。先日のオーナー会議では久々にナベツネが吠えていたようだが、パ・リーグのプレーオフや消費者金融のスポンサードの件だった。ちょっとは「一番可愛い身内」にも吠えてもらいたいものだと思うよ。

 7月に入って、阪神の優勝を確信してから、いままでしなかった厭らしい愉しみを発見した。中継があるときは、サンテレビで6時の試合開始から終了〜星野監督インタビューまで見るのであるが、土曜日の巨人戦は7時から読売〈日本テレビ系)の「真ん中のみ中継」もあった。1、2回の攻防でもはや12対0であったのだが、7時になるのを愉しみに待ち、チャンネルを巨人テレビに変えるのである。もはや雌雄は決しているのに番組が始まっても、あんのじょう「今日のジャイアンツに期待」するような企画モノを流し、試合の現状をナカナカ知らせない。開けてG党の落胆と解説の川籐掛布の苦言を十分愉しんだ後、サンテレビに戻る。歪みきった虎贔屓じゃないとできない愉しみかたである。ウエブでも最近は、「阪神タイガース公式サイト」や「日刊スポーツなにわWEB」などより「読売ジャイアンツオフィシャルサイト」や「ウエブ報知」を先に見る。特にG公式サイトでは、監督コメントや試合前スケッチ、熱戦グラフなどがあり、苦虫を噛み潰したような情けない内容を見て大層愉しんでいる。趣味悪。

 阪神系ウエブサイトでは、「星野仙一のトラトラトラ!」と「虎の意地」〈和田豊オフィシャルサイトの日記部分)の情報が濃く、しかも更新が早い。おおむね試合当日の深夜には更新されるので、各スポーツ紙サイトの詳細記事より断然早いし、当事者の発言なのであるから他の情報はもはや不要なくらいである。ご存知ないかたはぜひ一度ご覧あれ。