されどたかが野球(一)

毎年、オフにすったもんだを繰り返す日本プロ野球機構。しかしそれでもやはり商売。なんとかちゃんと開幕する。気になる所は低反発ボールの使用と、球場の有料入場者を概ね実数に近い発表にするという二点だ。2005.4.5記


なにをいまさら、球場の有料入場者を実数発表だと。

 プロ野球は両リーグとも開幕した。まあこんなにごちゃごちゃしたオフも珍しかったけれど、そこは商売、ちゃんと始まるんでありますなあ。今季の焦点は両リーグの交流試合と、パの二新球団の首尾が主に取り沙汰されているが、あたしに云わせりゃ、開幕直後の今は別の二つの方が興味深い。なにかというと、いわゆる低反発ボールの使用と、球場の有料入場者を概ねながら実数に近い発表をするという二点である。しかしこの二つ、よく考えてみると、どちらも大きく関与しているのは読売であって、やはり読売中心に回っているプロ野球界というものをあらためて実感するのであります。

 東京ドームなど、蓋をあければ初日にいきなり連続55000人の満員記録が途絶え、って、見え見えのドンブリ勘定で抜けしゃあしゃあと発表し続けて来たんだから、さもありなんだが、しかしそれでも44000人前後入っているんだから、たいしたものなのである。阪神主催の大阪ドームは札止めでも33000人なんで、やはり腐っても読売はいまんところ球界一の人気球団なのは明白。今までどうして頑なに水増し発表し続ける必要があったというんだ。実数を発表しなかっただけでデータはあるのだから、今までも、席数やグレード、適正料金なんかのマーケ要素にはなっていたはずで、要するにファンにはなんも還元されてなかったというだけである。外部から怠慢を指摘されないように隠していたというだけのことか。

ようやく低反発ボール使用への流れ。

 飛ばないボールにしても、あたしの贔屓筋の阪神は、今までも飛ぶミズノ製じゃなかったから、ホームに関してボールに変化はない。重量打線を並べている読売がホームで飛ぶボールを使用すりゃ有利に思えたのだが、どうも勝てずにやっこさんがたも気づいたか。いくら打っても、投手が駄目なら逆に打たれるんですな。飛ばないボールで他球団の非力な打線をさらに押え、弱体投手陣をフォローし、総本塁打数は減ってもパワーで各試合に打ち勝つのが得策とみての切り替え容認。ま、いきなり押えが打たれて敗けておりますが。

 しかしそれでもまだ全球団の使用球が統一されるに至らないところが、いたって日本的。メーカーとの長きにわたる懇ろがさも大事なことと見受けられる。まったく中途半端ですな。大体が球場の規格自体が大小さまざま芝も屋根もさまざまなんだから、この際そのチームの事情に会わせて好き勝手なボールを使って、戦略に利用しても良い、というほうがまだスッキリする。そんで読売は7回あたりから超飛ばないボールを使用することにすりゃ優勝できるんじゃないのか?

 しかしまあ、あたしにとって、プロ野球観戦はいまだ愉しい。ただし、テレビであれナマであれ、プレイボールからゲームセットまで通して試合を観ないと駄目だ。野球に限らず、ボールゲーム観戦の愉しみは、展開の「流れ」を想像し感じるところにあると最近強く思うようになった。よくヘボ解説者が「流れが傾きつつある」「この一球が流れを変えた」などとほざいているが、観戦者はそれを感じてゲームを愉しんでいるのであり、そんなことを「解説」してもらうのは頗る迷惑なのである。サッカーはハーフタイム以外一時も目を離せないが、毎回攻撃が入れ替わるばかりか、リリーフの投球練習がやたら挟まるプロ野球は、流れを追って愉しむのには滅法お気楽で、却ってありがたいのである。つうわけで、今年もだらだら観ようかね、プロ野球。