トリノ冬季五輪雑感

あれよあれよといううちに、トリノ五輪の競技日程も半ば近くまで進んでしまった。トリノとの時差が8時間ということなので、ライブ中継は夜から未明。あたしはライブでしか見る気がしないので体は結構キツイが、昼だと仕事やら電話やらでじっくり見られないので、まあこのほうが都合がいい。普段はテレビをほとんど見ないのに、オリンピックは毎回ちゃんと生で見ている。やはりスポーツはラジオと新聞で愉しむのはちと無理だ。2006.2.16記


メダルメダルと騒ぐなマスコミ

 今朝現在、日本のメダル獲得数はゼロ。大はしゃぎしていたメディアは、落胆したようなことばかりほざいているが、いいじゃないか。だいたいが日本、冬季五輪では毎回一〜二個くらいしか獲ってないんだ。自国開催の時に限り若干増えただけなのである。これまで延々暖冬と不景気が続いたんだから、日本のウインタースポーツの選手が恵まれた練習を積めたわけがない。国内に雪は降らず、企業の運動部は潰れ、スポンサーは減り、海外遠征も没になり、練習場も儲かる商売にサッサとくら替えしたことだろう。

 スケートに関して言えば、あたしらが小学生の頃、街中に急にスケート場(大概2Fにボウリング場&ビリヤード併設)が増え、気軽にスケートを楽しめるようになった。これが競技人口の増加に繋がるかと思ったのだが、景気悪化とともに萎み、現在はほとんど残存していない。この国は、何事でもアッサリそういうことをする。なもんで今や子供をスケートにつれて行こうにも見知ったところが既に無い。スケート場が少ないということは混雑しているということで、こちらももはや滑り方など忘れているところに持って来て、足の裏に刃物付けて飛ばすスポーツであるからして、混むと危ない。で、行かない、となる。草野球も同様だが、裾野をどんどん狭くして置きながら、それメダルだとはしゃぐのは無理筋である。一生懸命練習してきた選手達個人には、ぜひとも獲得してもらいたいが、私たちの国はそんな国なのである。国別メダル数などはどーでもいいじゃないか。

日本人に向いた競技のように思えるカーリング

 さて、カーリング競技つうのは、施設さえ普及していれば、日本がかなり強くても良さそうな種目だと毎回思うのだが、どうか。やはり幻想なのか。もはや手先の器用な日本人てのは絶滅したのか。職人技の伝統も血統も断絶したんだろうか。達人は出ないのか。今後その筋で期待できるのはケータイメール打ち世界選手権(あるのか?)くらいなのか。

 この競技、あたしは好きである。ジャンジャン横丁の将棋道場でガラス越しに弥次馬観戦しているような趣がある。腕組みし氷面を凝視し、「あそこに当ててあっちに当てたら、王手飛車取りやがな」「それ、詰めろや」「よっしゃ打てィ!」「あ〜あ、ヘボや!」そして、「いっぺん儂に投げさせてみんかい!」と捨てぜりふを吐きテレビを消すのであった。

 詳しいルールは良く知らないけれど、日本人好みの競技だというのは間違いない。カンタンに言えば、オハジキなのである。中年以上には馴染みがあるのである。そんでもって10回までイニングがあって、先発、中継ぎ、抑え投手がいて、後攻が有利なトコロなど、日本のおっさんが大好きな野球の進行にも近い。観戦中のんびりトイレにも立てるし、碁将棋のように戦略も予想できる。玉突きのような高度なテクニックも楽しめる。そのうえ、ひょっとしたら体ボロボロのオッサンにでも出来そうだと勘違いできるところが良い。

 ま、やはり実際は持久力や筋トレなどの、凄い練習が必要なようですが。そんでもって、ひとたび魔球というものさえ生みだせば、選手は人気者になること請け合いである。どうにかして大魔神のフォーク、みたいなクイックな曲がりとブレーキングが望めないものか。ストーンがブーメランのようにUターンする投法は金輪際無理なのか。大リーグボール養成ギプスは開発できないのか。石に鼻糞や痰を付けて投げるのは反則なのか(そんなことしてどうなる?)。

 競技自体は地味ではあるが、このカーリングほど、選手の「顔」が長時間かつアップで映されるものは他に無い。総当たりリーグ戦なので放映回数も多い。ミキティの何のと騒いでいるが、必死で4回転回っても単独画像のアップなんてのは一瞬である。別嬪の娘さんやイケメンの若者で、将来タレント活動の野心がある選手は、このカーリングでメダルを獲るのが得策。競技年齢も長い。そのうえ国際映像の試合中に科白もギャグも振り付けも挿入可能で超おいしい。民放テレビ局などが自前で別嬪揃いのアイドルチームを作って強化し、胸元の開いたセクシーコスチュームで氷を這わせ、決勝まで行かせて、国民をテレビにクギ付けにさせれば、かなりの投資効果が生まれると読んだが、どうか。