クマゼミの羽化を観察・写真撮影をする

 野球のオールスター期間中に合わせるかのように、梅雨前線が南下して梅雨の晴れ間が覗いたと思ったら、仕事場から見下ろせる公園に、ぞくぞく熊蝉どもが羽化しだした。まあ、よくも好天が解るものだと驚く。こいつらが出だすと午前中は五月蝿くって仕事にならんのだ。梅雨はまだ終わってはいないらしいので、週末あたりから雨だというのだが、蝉どもの勇み足なのか、それとも気象予報士が間違っているのかはわからない。

 息子に知らされて、風呂上がりのカラダをヤブ蚊に刺されまくりながら夜の公園に出た。あれまあ、そこいらじゅうで羽化している。ちょっと見回しただけで50頭はくだらない。息子は、今のうちに夏休みの宿題のネタを仕入れておこうと目論んだらしく、カメラを貸せという。簡単なほうを貸してやったが、んならついでにあたしも、とデジカメと三脚を持ちだして二人で撮影した。


クマゼミの羽化
▲三脚を構えてじっと見ていると徐々に体が抜け出してきて…

 餓鬼の頃、家の網戸に幼虫をくっつけて徹夜で撮影したのを思いだしたが、こうも一時にたくさん羽化してくれると、徹夜の必要もなく、各段階に進んだものがずらりと並んでいるので、少しの時間で全撮影が済んでしまう。息子の思いつきはズルイ! しかし一頭にしぼってしばらく眺めていると、背が割れ、じんわりと羽化が進んでゆくのが見られる。淡々とした不思議なものだが、これ、首尾によって蝉の目や顔の表情が変わったりしたらさぞかし面白いだろうと思う。あ、こいつ、引っ掛かって困った顔をしておる、とか、すんなり抜けて泣いて喜んでおる、とか。


 明くる日も晴れたが、あれだけの数が羽化したにもかかわらず、朝の鳴き声は控えめである。たぶん、「しまった!早く出過ぎたか…」と落胆しているのであろう。蝉の人生にも、運不運があり、なかなか大変なようである。

異常気象・温暖化の証し?クマゼミ生息分布の北進

クマゼミの羽化
▲やわらかな翅をピンとのばして、固くなるのを待つ

 わたしは関西出身なので、子供の頃から「クマゼミ」とはなじみがある。そしてテレビ番組の夏の効果音に多用される「ミンミンゼミ」とはあまりなじみがなかった。東京で就職したので、住んでみると、ミンミンゼミはポピュラーだったが、クマゼミの声を聞くことがほとんどなかったように思う。これはもう15年ほど前の話。ところが、最近では、その東京にもクマゼミが珍しくなくなってきたらしい。クマゼミは南方系のセミだが、やはり平均気温の上昇につれて北へと移動しているらしい。セミばかりでなく、いろいろな生物が環境変化や人為的な理由(ペットの自然界放流など)で、その生息域を変えてしまいつつあるようだが、地球温暖化のストップもそうだが、飼育者個々の手による生物の自然界への放流だけは、なんとか進行を止めなければならないと思う。


クマゼミの羽化を観察

セミのたくさんいる公園の木の根元に幼虫の出た穴があるか調べる。また近くの枝にセミの抜け殻がたくさんあるようなところを見つけておき、深夜にそっと観察に行くと、幼虫がたくさん這い登ってきて羽化をする。これを三脚を使ってカメラを固定し、時間とともに連続して写真撮影すると良い。