優勝決定前夜、大阪の街は黄色と黒の帯模様一色(二色か?)に!

 大阪の街が、黄色と黒のゲテっとした帯模様だらけに彩られている昨今であります。今週末にも優勝決定か!という状況なので、どこもかしこも便乗商売に精をだしていらっしゃるようで。書店の平棚にも、相当の面積を占有してゴテゴテっとタイガース関連書籍のコーナーが設けられている。ま、こりゃ東京でもそうなんだろうけど。野球関連本のみならず、デザイン関連本その他まで、猛虎カラーの表紙にしてイチビっているという、誠にオメデタイ国である。「黄色と黒」のものは、とにかく全部買ってみる、というような人がいるのでしょうな、たぶん。しかしあたしは、あの手の特集雑誌は、まず買わない。店頭で手に取って見ることもほとんどない。だって、だいたい内容が知れたもんじゃないか。18年前、1985年の時もそうだった。虎贔屓とは言っても結構淡泊なんである。“その日”の翌日買ったスポーツ紙も確か2紙くらいのものだったと思う。なんかあのときは「スポーツ新聞5紙パック」みたいなものを、鉄道弘済会(キオスク)が売りだしたんじゃなかったか。今回もやるんだろうなきっと。

 そんな前回の優勝時だけれど、例外として文藝春秋からでているスポーツ誌「Number」の阪神特集だけは、全て購入した。たぶん3,4回は特集が組まれたように思う。今も書棚の奥の方に残してあるが、面倒なのでわざわざ引っぱり出しはしない。しかし考えてみると、今回優勝するに及んで、それでも引っぱり出さずにいるということは、残している意味がなかったということですな。今見ずに、いったいいつ見るつもりなんだ。まいいか。唯一「Number」だけを買ったのは、やはりコラムの質が良いこと。それに、匙加減というかツボの突きどころが、あたしのプロ野球及びタイガースに対するスタンスにピッタリなのである。ヒネリ具合が小気味よいというか。その「Number」も、重箱の隅をへつるような愉しみが身上の「プロレス」の特集になると、かなり物足りない感じの内容になってしまうのだけれど。

Number581・虎に酔う。/Number584・阪神の国ニッポン。

number581&584

 てなわけで今年も、タイガースの「怪」進撃にあわせて、今までに2回(たぶん)特集が組まれたのだが、これだけは買ってしまった。ちょうど今、書店に「Number584・阪神の国ニッポン。」という阪神特集が並んでいるが、これ、なかなか素晴らしい。なかでも「偏愛猛虎絵巻1985-2003」は、「その間、いったいなにしとったんじゃい!」と叫ばずにはいられないような情けない記憶を、ご丁寧にも蘇らせてくれる。ケチの「ヨッさん」やゴネの「鬼平」、「目スダレ」ザトペックも、もちろん「ノムさん」も皆ボロカスで、実に笑える。「ああ、そういや郭李、当時期待したなあ。すっかり忘れていたけど。打撲した金○はその後大丈夫なのだろうか?」なんて、思いだしてしまいましたよ。また、「阪神顔は濃くあるべし!」の考察については、あたしも常々考えていたことだったので興味深かった。今シーズンなんか、阪神顔は巨人選手のほうに多いもの。もっとも「阪神顔オールスターズ」に選抜された面子は、あたしの意見とは多少食い違いがあるのだが。この企画、せめて2見開き割いて、もすこし煮詰めて欲しかった。そんでから「ダメ虎時代を支えた名脇役たち」によると、猪俣投手は、いまアメリカで寿司握ってるんだそうで…。興味のあるお方は、お立ち読みを。

 あたしが感心したのは、1回目(たぶん)の阪神特集のほう。「Number851・虎に酔う。」のほうである。こちらは、アートディレクションが痛快だった。ジェット風船のCG合成はともかく、表紙や扉の、豪快かつ荘厳な甲子園球場の空撮写真。実にお上手でした。トラキチ連中、あの写真をじっと眺めているだけで泣けてくるのではないかと推察されます。あたしもちょびっときました。こちらの号では「江夏豊が語る最強投手陣」などが深い。「'85年組の証言」も泣ける。そう、85年組はこれでようやく歴史の深部に埋没できるんですわ。きっと来年はトラッキーの背番号も変わるんだろうし…。

 なんか「Number」の宣伝みたいになってしまったか。さて、今週なのか来週に持ち越されるのかはわからないけれど、大阪に居て「阪神優勝」に巡り合えるのはラッキーではある。85年は東京在住だったから、街の様子はマスコミ報道頼りだったのだが…。今回は優勝パレードもやるような感じだしなあ。さあ、あたしは果たしてその日に、坩堝のように煮えたぎる塵芥溜めの街へ、デジカメ持参で繰りだす勇気があるのだろうか? やめといたほうが無難だとは思うのだが。



狂乱の猛虎関連本など

2003年、星野仙一監督率いる阪神タイガースは、開幕から怒濤の快進撃。18年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた。おりしも不景気の中、タイガース特需が大爆発。タイガース関連本もさかんに出版された。