柔道、競泳、体操の活躍に違和感が…

 オリンピックもそろそろ中盤。これまで団体球技の予選中心に中継を観てきたが、こればかりは生中継を観ないことには面白くもなんともないので、ここんとこは朝6時から10時までが睡眠の時間になっている。まあ時差6時間というのは一日の4分の1だから、中途半端な時差よりは一日のリズムが作りやすい。観ていると、ギリシャの人口のせいかスタンドの観客もまばらで実にのどかな試合風景である。草オリンピックという感じがしていいね。次の中国では逆に全部満員のような気もするが。会場は特に斬新な感じはしないが、カラーリングなどにシンプルながら落ち着きと明るさが適度にでていて好感が持てる。スポーツの舞台としては安上がりで上手なディレクションだと思う。

 現時点で日本は「金」7個。上々のすべり出しだが、柔道、競泳、体操で「金」が獲れているというのには、どうも違和感を感じてしまう。まああたしのガキの頃はこれが普通だったのだが、長期の低迷で期待もしなくなってしまっていたからだろう。バブル経済の頃の金絡みイケイケが終わって、じっくりスポーツに取り組む体質が育ってきた結果というべきか。競泳や体操には、そういう機が熟してきたような感じがある。それではここまで観てきた各競技日本チームの雑感を。

 優勝が最低条件のように奉られて来た「ソフトボール」であるが、予選ここまでは全然ダメである。まあ後半は盛り返すのかもしれないが、それにしてもガチガチのスイングやフィールディングを見ると、あまり期待はできそうにない。あの、「女・大松」ウツギ監督の猛練習&精神主義というのは、ソフトという競技には合わないのではないかと思う。欧米チームのお姉ちゃん&おばさん選手を見ていると、実に愉しそうにゲームをしている。ユニフォームもお気楽な感じだし、なにより「振り」の思いきりが良い。同じアジアの台湾のチームも日本に敗れたとはいうものの選手は笑顔をたやさずプレイしていた。ワンエラーが致命傷になるソフトは、リラックスすることが重要だ。なのに精神主導で固めてしまうと、体が動かなくなってミスが出る。これまで必死で練習してきたんだろうから、本番くらいもっとノビノビやりゃいいのに。

 サッカーも同様だ。男子は早々と敗退してしまったが、開始早々に舞い上がっての不用意失点を繰り返していたんじゃ、組織力もなんもあったもんじゃない。身体能力や体格じゃ全然かなわないんだから、もっとゲームを愉しむ姿勢を持たなきゃ。あたしはペケはキーパーのソガハタだったと思っている。お兄ちゃんのくせして、チームをどんどん暗いノリに引きずり込んでいった。失点を重ねてももっと明るく元気に振る舞って欲しかったなあ。山本監督も彼を選択した時点でペケである。まだ「なでしこ」のほうが頼もしいが、決勝Tはキビシイ組み合わせになった。あの強烈な攻撃をどこまで組織で凌げるかだが、それより、シュートを枠内に強く打てるかどうかが勝ちを拾うポイントだろう。試合をのんびりペースに持ち込めば面白くなる。個人的には川上の右サイドの上がりに期待している。

野球はやっぱり試合時間が長すぎるかも。

 体操の男子団体の「金」は、快挙といって良いだろう。たまたま大きな失敗をせずに済んだからのラッキー、と言ってしまえばそれまでだが、プレッシャーに負け続けての長期低迷だったのだから、今回の「金」は大いなる進歩である。柔道、競泳、レスリングも含めて、「お家芸」と報道されることが多いが、あれは不愉快である。昔だって大して強くなかったじゃないか。本当のお家芸は「柔道」だけだ。まあ体操は「忍者」なんかを考えるとお家芸と呼べるのかもしれないが。誰か忍者装束で演技をする選手はおらんものか。「床」なんかカッコイイと思うが。

 キタジマくんは、あの重圧に打ち勝っての二種目「金」はエライ。はっきり言って、試合前はこりゃ負けると思わせるような「オーラ」が彼の体の回りに漂っていたのに。マンガで描けばケムリのようなグルグル巻きの線である。優勝後の200mでは、それが自信のオーラに変わっていたのに驚いた。そういうものなんだなあ。「柔道」の好調はルール変更によるところが大きいのではないか。ああ「消極性」と「掛け逃げ」に対する指導ポイントがキビシクなると、合理主義の外国勢にはプレッシャーになるが、もともと精神主義の日本勢はそのまんまで良いのだから有利である。「柔道馬鹿」ほどオトクになるルール改正というわけですな。

 「バレー」「バスケ」「ホッケー」も観ているが、すっ飛ばして最後に「野球」を。長嶋さんはテレビ観戦の身の上なんだから、「長嶋ジャパン」という呼び方は止めればどうか。日の丸に描かれた「3」も、マジックペンの小さな文字である。どうせならチョーさんも太筆で墨痕たくましくガーッ!と描きゃいいのに。選手を鼓舞しているというファックスのコメント、あれ、実は息子のカズシゲくんが書いているんだったら笑えるのに。さて試合だが、昨日は豪州にヒネラれた。ジェフがモンキーに四球を与えたのはチームメートへのご祝儀だったのか?もう今年の阪神は終わったので、肩を壊すまでスライダー放っていいよ。母国のために(安藤もだけど)。

 全勝して「金」などと豪語している割りに投手起用がケチンボである。キューバ戦も豪州戦もヒット4連打されるまで変えない、というのは後のこと(五輪後のペナントレース含む)を気にしているとしか思えない。全部勝つ気なら、連打、3連打で即交代のはず。言ってることとやってることが違うぞナカハタ。野球の「伝道師」なんて息巻いていても試合を観ているかぎり、野球が五輪に根づくとは思えない。ナンデか。理由はただひとつ、エンタティメント化されたベースボールは「試合時間が長すぎる」のである。あのダラダラに付きあっていたんじゃ、他の競技を観戦する時間がなくなるじゃないか。




アテネオリンピック観戦記

2004年は五輪イヤーである。開催地はオリンピック発祥の地、ギリシャのアテネ。のどかな感じの会場や観客のすがたが清々しい。時差が6時間なので生中継を見ようと思えばだいたい深夜の観戦となるが、どうせこちらは熱帯夜だし、静かでかえっていいやと思う。