健康スリッパ

本編に登場する健康スリッパとしてはこいつが一号だが、歴代でいうとコレで五代目くらいか。こいつ、数ヶ月試用してみても、指の痛い部分が慣れてラクになることはなかったが、繰り返し抜き差ししているうちに突起の根元の部分が、あんのじょうもげてきて、歯抜け状態になってしまった。それから一年持ったかなあ。最終的にはヨレヨレになり突起も全部折れてしまい普通のスリッパになって現在は…まだベランダに居るのです。

暑い夏には少し張り込んでも、健康スリッパなるものを愉しむことにしている。


▲この夏はコイツでいってみる

 健康スリッパを買った。あたしの一年のほとんど八割方は素足にスリッパでの室内生活であるので、スリッパを年に四足くらい履きつぶしてしまう。ちなみに外用のスニーカーは一足しか持っていないが、そろそろ六年以上履き続けていて、さすがに革が剥げて来たところを油性ペイントマーカーで化粧して誤魔化しているのだが、物持ちが良いというよりは、いかに出歩かないかという証しである。で、スリッパだが、超安いのを買うとひと月も経たずに千切れたり捲れたりして壊れてしまうので、夏の暑いときは、少し張り込んで(っても二千円前後だが)、健康スリッパなるものを愉しむことにしている。


 昨年は、内側にイボイボの付いた「ツボ押し」タイプのものにしてみた。これ、滅多に靴を履かないヤワな足裏にはチョーシビアであったが、さすがにしばらくすると慣れた。まあその痛さがなんともなく良いのだが、困ったことに、長く履いているとイボの間にゴミや埃や垢や陰毛が挟まって溜まり、そこに足裏から分泌される異臭液が染み込んで発酵し、物凄い臭いを発するのであった。食事の時など、足元から異臭が上ってくる始末。んで、この挟まったゴミがまたちょっとやそっとの掃除では取れない。で、昨夏はアテネ五輪の中継を見ながら、爪楊枝と綿棒を大量に使ってホジホジしていたのであった。ときどき臭いを嗅いでみたりしながら、それはそれで多少は愉しい作業であったのだが。

足の指の股が「買え!」「挟ませてくれ!」とムズムズ訴えてくる。

 冬の間はさすがに靴下を履くから、百円ショップのスリッパで十分だが、そろそろ靴下は暑い。なもんで近所のハ○ズで売っている健康スリッパを物色しに行った。前述の件があるので、今年は深いイボイボ付きはパス。緩いイボ付きにすりゃ、埃も溜まらんだろうと見ていたが、棚の端っこにあった、指の股に挟む突起が付いたものに気がいった。いや、これはすばやく履いたり脱いだりできないし、履き心地が良くないであろうことも、容易に予測できるのであるが、この形状を見ているだけで、足の指の股が「買え!」「挟ませてくれ!」とムズムズ訴えてくる。この感じお解りかなあ? 試しに履いてみたいが、靴下を脱いでまで試着するのも面倒なもんで思案していた。しかし試し履き用のサンプルを見ると、大勢の客に試されてゴムの突起が半分以上千切れてしまっているでないか。つうことは、これ、買っても早晩千切れてしまうのである。具合が悪ければ、自分でもいでしまえば良いということだ。で、買ってきた。


 足指の間が、「早く挟ませてくれ!」と、五月蝿いので、開封するなり早速挟んでみたが、イタイ! この突起、もうすこしソフトな素材で成形できなかったものか。あたしは外反母趾でもなんでもないが、巻き爪が肉に食い込んでいる部分があり、そこが圧迫されるものだから一層痛いのである。おまけに甲幅が広いものだから、マジックテープ付きのベルトを目一杯拡げても十分に足が入らないので、尚更左右から強く押し付けられるのである。箱裏の「ご注意」には、「使用中痛みを感じた場合すぐに使用を止めてください」とあるが、これ、全く痛くない人はあまりいないんでないかと思う。てなわけで、我慢して履いているが、暫くすると痛みが我慢できなくなり、指の部分を抜くことになる。そうして暫くすると、今度は指の股が「挟ませてくれ!」と叫ぶ。それでまた履く。この繰り返しである。そのうち慣れが来るかもしれないので、突起をカットするにはまだ早い。まったく面倒なスリッパを買ってしまったもんだが、これ当然MADE IN CHINAなのである。MADE IN CHINA、面倒 IN CHINA、面倒いチャイナ。なんじゃそりや。