一日だけ先へ行って新聞を見、すぐ帰ってきて株屋やJRAに行くんですヨ。

アオスジアゲハ
▲水を飲むアオスジアゲハ(本文とは関係ありません)

唐突なタイトルで恐縮です。タイムマシン。まあ昔から、『夢の機械』の一番手といってもいいようなシロモノですが、こればかりは実現が超マユツバな機械ですな。ガキの頃、当時放映されていた、英テレビドラマの『タイムトンネル』つう番組を熱心に見ていましたが、子供心にも時間旅行なんてのは「あたしゃ御免だ」と思って見てました。その理由は、あの螺旋状の模様のついたトンネルに入ってゆくと、火花が出て「熱そう」だったからなんですが、まったく夢のないガキでしたな。四十数年たった今も同様、タイムマシンなんてものがよしんば完成したとしても、乗りません。確かに下らなかった(現在継続中)テメエの人生ではありますが、昔に戻ってやりなおすとなると、こんな面倒臭いものはありません。も一度やってもこの性格。どうせ、またこんなもんになること請け合いですしね。


 映画やSFでは、歴史を変えるのだけはご法度という約束事がありますが、これに縛られると折角の機械なのにな〜んにも出来ません。となると禁じ手を破り無茶苦茶してこそ乗る甲斐のある機械なんでありまして、人間なんてのは手前のエゴのために毎日息をしているような生物ですから、開発されても早晩破棄されるべき機械となる運命にあるのは疑いようもない。似たようなものである核兵器なんてのはじんわり増えてるみたいな按配ですが。


 物語に描かれるタイムマシンの旅行家なんてのは、上手いこと危機から脱するように書かれてますが、こんなに危ない機械はありません。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でどこぞの時間から戻ってきた瞬間に汽車が迫る、なんてシーンがありましたが、普通に使えば大概はイキナリ土の中か水の中に出て即死でしょう。あるいは空中から落下して激突死。地表面や構築物は時代によって大きく動いとりますからな。過去ならともかく未来は予測不可能。それでも冒険の旅に出たいという勇敢な輩は大勢いらっしゃるでしょうが、だいたいが好奇心なんてものは、言い換えると「煩悩」なんでありまして、結局は「一獲千金」なんかに繋がってこその衝動なんでありますよ。


 タイムマシンを手に入れても、冒険や浪漫や科学なんて大それた方向に行かず、小市民的にセコイ使い方をするなら使いようもある機械かもです。どうするかって申しますと、やはり小銭稼ぎでしょうよ。ジュラ紀にとか縄文、戦国、江戸、未来見物なんて危ないのは御大尽やドラえもんに任せときましょう。低性能低価格のバッタもんで結構。自分の部屋などの安全な場所から一日だけ先へ行って新聞を見、即帰ってくるくらいが無難ですよ。そしてさっそく株屋やJRAに行くんです。これなら命を落すことも歴史を変えてしまうこともありませんもの。「いつも勘が抜群な人」という評判だけですみます。


タイムマシン

ガキの頃、読んで憧れたサイエンスフィクション未来科学のなかで、もっとも実現を期待されたのが,タイムマシンと透明人間化の技術ではなかったか。ケータイやパソコンの分野は当時の予想をうんと凌駕して現実化されたが、この両者はサッパリ実現にほど遠い。大金のかかる大規模土木工事なんかが必要なヤツも。ドバイだけはやってるみたいだが。