阪神タイガースの金本外野手が、連続試合フルイニング出場の世界記録904を更新!

フルイニング
▲連続ふるいニング(画像はイメージです)

 阪神タイガースの金本知憲外野手が、連続試合フルイニング出場の世界記録を更新した。各方面で、やいのやいのと称賛しているけれど、あたしもこの記録にケチを付ける気はさらさらない。二日酔いの朝の自分を思い描けば、まったく頭が下がるばかりだが、どんな仕事に就いていても、さまざまな不測の事態があって、一度たりとも欠席しないで済むなどということは、まあできないことだ。金本の凄いところは、強打者で選球眼が良いところはもちろんだが、代走を送ったり守備固めをする必要が全くない、オールマイティな選手だということに尽きる。当日、ハマの多村なんか、たかがアテロームで休んどったが…(;´Д`)。あたしでも仕事してまっせ、アテローム腫れても。ま、シロートのあたしがプロ野球選手の大変さをどうこう言っても仕方がない。鉄人への称賛は専門家にまかせましょう。

 野球は「記録の競技」だと言われるだけあって、それが、このスポーツを面白くしている部分は確かにあるけれど、記録の節目の前後は、概ねモヤモヤした時期が訪れる。たとえば、本塁打王や最多勝投手決定前後などだ。シーズンの最高勝率で優勝を決めるのだから、たまには捨てゲームが生まれるのは仕方ないのだが、勝ち負けと各記録の重要度が行ったり来たりするのはどうも気に入らない。そこまで「記録」を重視するのであれば、せめてセ・パ両リーグで試合数やルールが異なるシステムは避けるべきであろう。奪三振数など、投手に打席があるセ・リーグにいたほうが取りやすいだろうし、今回の金本の連続フルイニング出場にしても、今後記録を伸ばし続けて衰えが見えたときにDH制のあるパ・リーグに所属している場合と、そうでない場合で、たぶん途切れるタイミングも違ってくると思うのだ。

この際は記録の呪縛から逃れて、魅力的な「走る金本」を復活してほしい。

 記録が途切れるとき、リプケンJrは監督だったオヤジが説得したというし、衣笠の場合は古葉監督が頭を下げたという。これもあまり気持ちの良い話ではない。たとえ怪我や不調がなくても、誰かが金本を一日拉致監禁してしまえば途切れてしまうわけだし、別行動中の飛行機が悪天候で遅れただけでも途切れるのである。いくら偉大な記録が続いているといっても、それを守るため試合が延期になるルールはない。そう考えると、凄い記録だとはいえ、手放しで讚えるにはあまりにもあいまいな要素だらけなのである。そのうえこの競技、国によって全然違うルールや用具や球場や運営システムで、それぞれ記録が積み重ねられているワケなんだし、他のスポーツから突っ込まれるといかにも弱い。

 ともあれ、ひとまず世界新記録を達成したのだから、金本にはもはや、この記録の呪縛から逃れてもらいたい。そりゃ、続くものなら続けてもらいたいが、そのために「守り」に入っていた部分があるのなら、これを期に開放して欲しいのだ。阪神に入団した03年の盗塁数は18だったと思うが、04,05年は5〜3個に減った。まあ打順3番と4番の違いもあるし、ケガもあったのだろうけれど、記録達成のための危機管理が、かなり「走らない金本」にさせていたのではないだろうか。チームにとって、走れる4番の存在はとてつもなく大きいし、ファンにとっても堪らぬ見どころなのである。野球はやはり「勝ち負け」で観たい。それを先日のWBCの真剣勝負を見て、あらためて強く思ったけれど、この「連続試合フルイニング出場」は、今後、数が増えるとともに、勝ち負けに、野球の面白さに、どんどん影を落としてゆく種類の記録だと思う。ま、故意にストップさせるというのは、なかなか世間が認めないだろうけど。



記録の功罪

2006年4月9日、阪神タイガースの金本知憲外野手が、米大リーグにおけるカル・リプケンJrの記録を上回って、フルイニング連続試合出場を904試合続ける世界記録を樹立した。2006.4.10記